ドレスデン
二つの顔を持つ街
写真)カトリック教会のスカイライン。
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6月3日
今日は朝の列車でベルリンからドレスデンへ向かう。1泊して明日ベルリンに戻ってくる小旅行だ。前の晩、友人が目覚ましを掛けてくれるというので6時20分にお願いしたのだが、起きて頭が回り始めた頃時計をよく見てみたら、ベルが威勢よく時を知らせてくれたのは5時20分だったようだ。二度寝するとまず起きられそうにないので、ゆっくりと朝食を取り、すっきりとして出発した。寝坊するよりはよい。
ツォー駅から7時35分発のプラハ経由ブダペスト行きECに乗った。ツォー駅はまるで風情のない、都会によくある通勤駅のようだったが、やってきた列車は、チェコ国鉄の機関車がハンガリー国鉄の客車を曳く多国籍編成で、それを見て妙にわくわくした。ドレスデンで降りてしまうのがもったいなく思った。
途中の車窓の風景は、平坦な農地と森林の単調な繰り返しだったが、時々通り過ぎる白樺の林が目に鮮やかだった。白樺とは山にしか生えていないものかと思っていたが、当たり前だが寒ければ平地にも育つようだ。
9時47分に定刻どおりドレスデン中央駅に到着。往年の繁栄ぶりを思わせる巨大な駅だったが、改修工事の真っ只中とあって、暗い仮設通路をうねうねと歩かされ、ようやく外に出たかと思ったら駅前広場も盛大に工事中でげんなりした。
駅前から旧市街に向かう歩行者道路、プラハ通りに面して立つホテルIBIS
Besteiが今夜の宿だ。来る前から、三つ似たような共産主義がかった建物のIBISが並んでいるから、そのうちの一つだよ、とは聞かされていた。しかし、左手に左下の写真の光景が、右手に右下の写真の巨大アパートが目に飛び込んで来た時には、ここは本当にドレスデンなのか、いやどこか違う街に来てしまったのではないか、と思いたくなった。
でも町全体が二次大戦の空襲で破壊されてしまったのだから、こうなるのも仕方がないか。東京と同じか。でも東京と同じものを見に来たのではないのだが。。。
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写真)ドレスデンでまさかこんな殺伐たる近代都市風景を目にするとは、心の準備が足りなかった。 |
で、まるで金太郎飴のような3つ子のIBISだが、ホテル自体は西側のチェーンで東西統一後に入ってきたと思われる。内装は綺麗に整えられ、古臭いところや不便さを感じさせるところはなかったが、寝室に加え6畳くらいある妙な荷物置きスペースがあったり、フロントが客室数に対して手狭だったり、建物はそれ以前からあったような雰囲気であった。三つ並んでるところからも、新興団地だったのだろう。それなら考えようによっては、これも共産主義のアパートを改造したホテルとして、100年位したら歴史的価値を持つようになるのかもしれない。その前にぶっ倒れてそうだが。
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